上野則男のメルマガ − システム企画研修 No.18    今月は6テーマです。   ご関心のありそうなテーマをお読みください。   公園問題に関心が強かった方にお勧めは「片手の手袋」です。   公園問題もその後の進展がありましたらご報告します。  小論に対するご意見・反論(掲載の可否は弊社で判断させて いただきます)、ご寄稿等はこちらにお願いします。     ueno@newspt.co.jp  随時、弊社のホームページにバックナンバを含め掲載いたします。  ご利用ください。     http://www.newspt.co.jp/data/mailmaga/mgbk.html ★━━━━━━━━━━━ 上野則男のメルマガ ━━━━━━━━━━━★   ≪今号の内容≫   ■トヨタの反省すべき点   ■外部依存の弊害   ■片方の手袋4題   ■欧米信仰・ブランド信仰を早く止めましょう!   ■BASP     (ビジネスアーキテクト・セルフトレーニング・プログラム)                  の第1回実施のご報告  ■蛇足3題(オリンピック、選挙、公共工事)     ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━No.18 10年3月━━★  ◆……………………━◆【トヨタの反省すべき点】◆━………………………◆  トヨタが盛んに追及されています。   日本経済新聞が2月16日から「きしむ品質」という特集で  7人の識者に今回の問題が起きた原因を聞いています。     その要約はこうなっています(上野まとめ)。  @急速なグローバル化で技術指導が追い付かなかった 4人  Aその基となるのは指導人材の不足         3人   Bそもそも部品メーカの技術力不足         1人   C「苦情の分析に消費者目線が不足」     に代表される情報収集不足           4人   D大ごとになったのは説明の内容・迅速性不足    6人   E本社のコントロール不足             1人   「環境が悪く騒がれすぎ」という   トヨタフアンの米国大学教授の意見もありました。   「非正規労働者に頼りすぎ」という意見もありましたが、   今回の問題は製造現場が原因ではありませんから、   これは当たっていないでしょう。   トヨタはある面で経営危機です。   私が08年12月号で   「成功したことが失敗要因になる」(傲慢、慢心から)の例として   T社も危ないのではないかとあいまいに予告したことが   こんなに早く実現するとは思いませんでした。     今回私としては、落ち込みの原因と復活の鍵を   トヨタの経営理念・経営戦略から探ってみました。   現在のトヨタが掲げる企業理念は以下のようになっています。   これは、1992年1月に制定され、   1997年4月に改定されています。   そのころはまだまだ謙虚でした。      1.内外の法およびその精神を遵守し、     オープンでフェアな企業活動を通じて、     国際社会から信頼される企業市民をめざす。    2.各国、各地域の文化、慣習を尊重し、     地域に根ざした企業活動を通じて、     経済・社会の発展に貢献する。    3.クリーンで安全な商品の提供を使命とし、     あらゆる企業活動を通じて、     住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む。    4.様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、     世界中のお客様のご要望にお応えする     魅力あふれる商品・サービスを提供する    5.労使相互信頼・責任を基本に、     個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる    6.グローバルで革新的な経営により、     社会との調和ある成長をめざす    7.開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、     長期安定的な成長と共存共栄を実現する     この第7項で、   「取引先との共存共栄関係を実現する」とあることに注目してください。   「社会・地球の持続可能な発展への貢献」と題するCSR方針も   これを受けたもので、大変素晴らしいものです(紹介省略)。   しかし、この理念等を具体化したと思われます   「トヨタが目指すべき企業像」となると様子が変わってきます。   その企業像では次の4面が挙げられています。    @地球にフレンドリな技術で地球再生を牽引する。    A安全・安心・快適に暮らせる車とクルマ社会を創造する。    B自動車の魅力を世界中に広めトヨタフアンを拡大する。    C真のグローバル企業として世界の人々や地域から敬愛される存在へ。   ここからうかがえる企業像は、   「我々がこうやって世界を変えるのだ」と自信満々で主張している姿で、   トヨタ以外には車を買ってくださるお客様しか登場しません。   大事であるはずの取引先・協力会社は登場しないのです。   私の知っているかぎりでは、   トヨタは部品を供給する企業を   対等な立場のパートナとしては見ておらず、   使っている言葉は別として、態度は「業者」扱いです。   「我々についてくればあなた方も一緒に発展できるよ」   という傲慢さか押売り的態度です。   前掲の「きしむ品質」特集の結論では、   基本的には早すぎた拡大に   指導側も部品メーカ側も人材が追い付かなかった   ということになります。   「パートナ」という意識を持って   部品メーカと共同で技術向上に取り組んでいれば   違った結果になっていたのではないでしょうか。   「消費者目線が不足(前原国交相もそのような発言をされていた)」や   「説明不足」も尊大・奢りが陰にあると思われます。   当メルマガ09年9月号で取り上げた   「人から盗める知恵は徹底的に盗め」という   「名古屋の会社」としての風土もあります。     本当の意味のパートナシップが欠如または不足   しているのではないでしょうか。   そういう風土が、   今回のような部品供給者との齟齬を生んだ一因となったことは、   間違いないと思われます。   今回の問題を改善しようということで、   社長自らが陣頭指揮する「グローバル品質特別委員会」   が設置されました。   ここで、世界規模で部品供給者との関係の改善にも   強力に取り組んでいただきたいものだと思います。 ◆……………………━◆【外部依存の弊害】◆━………………………◆   前項は、外部企業との連携不足を取り上げたのですが、   情報サービス業界は、もっと深刻な外部依存の弊害の「極致」です。   ソフトウェア開発業務、特に大型の場合は多段階の「下請け構造」となっており、   しかも発注者側がその先の委託者の業務の詳細を把握していません。   いわゆるブラックボックスなのです。   全体を改善しようとしても、   発注者は「その先は分からない」と言って手を出さない、   受注者は、要件等があいまいで作業に支障があっても   「これが前提だ、言われるとおりにやっておこう」   という相互もたれあい状態となっていて改善が進まないのです。   このままでは、日本の情報サービス業界は沈没だ、   ということで一部に改善の動きはあります。   改善のスピードを上げなければなりません。   実際に使用される、そして問題を起こしているソフトウェアは、   1番末端の現場で作られるものなのです。   その末端の現場作業がブラックボックスでは   まともな品質のものができるのでしょうか。    外部依存しないで、すべて内作していても問題は起きます。   1月末に発生した新幹線の架線事故の原因は、   JR東海社員のボルトのつけ忘れといううっかりミスでした。      「事件は現場で起きる」のです。   現場を軽視してはいけません。   現場を制するものが勝ちです。   ワタミの渡邉社長、ユニクロの柳井社長,楽天の三木谷社長   皆さん現場に強いですね。  ◆……………………━◆【片方の手袋4題】◆━………………………◆     その1 落とした手袋が戻ってきた  ーーーーーーーーーーーーーーーーーー   これは、前号にも登場したYさんのことです。   手袋の片一方を落としました。   気がついたので次の日歩いた道をたどったところ、   町内会の掲示板(マンション暮らしの方はご存じないでしょうね)   に落とした手袋が留めてあったのを見つけました。   喜んで町内会の役員のところにお礼に行くと、   通行人が見つけて届けてくれたのですよ、ということでした。   Y氏は感激しました。「日本人は素晴らしい!」と。   1月号で私が挙げた日本の復活に向けた強み7Kの一つ   「コミュニティ」の実現事例です。   Y氏は言っていました。   「両方落とせば探しに行かない。   片方だったので、もったいないと思って探しに行った」   なるほどそうですね、と同感しました。   その2 こんなことがあるのか。  ーーーーーーーーーーーーーーーーーー   実はその直前に私も左手の手袋を   電車から降りるときに落としたのです(推定)。   私も片方だったので「探そう」と思ったのでした。   それが、私の子供たちからのプレゼントだったこともあります。   今やそのような手袋は100円ショップで素晴らしいのを売っています。   落とした電車の忘れ物係に電話すると   「届けがある」というのです。   喜び勇んで取りにいきました。   そうしたらなんと違うものでした。   不思議なことがあるものです。   全く同じ日に同じ線内で同じような物   (「毛糸でAdidasで黒地に縞マークの模様がついている左手」)   が落とされるということがあったのです。   模様が少し違うだけのです。   電話での特徴確認では全く同じものでした。   その3 予断はダメ  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   警察の捜査でもそういうことが起きるのでしょう。   複数の条件が合致すると犯人だと決めつけてしまうのです。   DNA鑑定でもしないと決定づけられないのです。   ところがDNA鑑定も初期のころは信頼度が低いのに、   科学的な判断力のない人が100%と思って決めつけたのが、   菅家さんが冤罪になった足利事件です。   科学的な鑑定をする方と   その結果を判断する法曹側の知識ギャップですね。   それをつなぐのが法医学です。   私の父は33年前に亡くなりましたが、   上野正吉という法医学者でした。   父は決して予断をもって鑑定を行ってはいけないというのが信念でした。   科学でそういうことがあるのか   と思われるかもしれませんが、ありうるのです。   自分がこれは自殺だ、あるいは他殺だ、   凶器はこういうものだろうと、状況等から予断をもって臨むと、   都合のよい材料のみに目が行ってしまうということが起きます。   自殺か他殺かでもめた(法医学者の意見が分かれた)   ので有名だったのは、戦後の混乱期に起きた下山事件でした。   下山さんは国鉄総裁でした。   労使がもめていたのです。   どちらの立場で判断するかで   中立的であるはずの科学者が必ずしも中立でなかったようで   自殺派と他殺派の意見が分かれたようでした。       ビジネスでもそうではないですか。   これをやりたいと思うと、よい材料ばかりを採用してしまう。   決定的な失敗要因を見落としていた、ということになるのです。   私もその傾向があります。   これまでずい分多くの商品を   「今度は間違いなくヒットする」と思って開発してきました。   ほとんどがヒットせずじまいです。   失敗原因は分かっています。   その失敗原因を克服する方法を準備中です。   その4 夫婦も片方になるとダメ  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   長年一緒だった夫婦の片方がなくなる場合も、   大変ですね。     ですが、なぜか奥さんは大丈夫です。   しばらくはシュンとしていますが、   すぐに以前より若々しく元気になる人が多いのです。   周りにそういう人がたくさんいます。   その点、男はダメです。   落ち込んでそのまま後追いする人も多いようです。   ところがダンスをしている人は、相手を見つけられます。   I氏は62歳で、1年半前に奥様をなくしました。   彼は以前からダンスをしていました。   今は5歳年上の彼女とラブラブになっているらしく、   顔が輝いていました。   家内もダンスをしていますが、   年寄りの男性の多くが積極的(色気満々)だそうです。   家内も誘われるそうです。   それでいいのです。   引きこもってしまったら終わりです。   私の知人80歳のH氏は、20年くらい前に奥様と別れました。   それからは一人でしたが、時々不特定の女性と   「遊んで」いました。   ついこの間までそういう話を得意になってしていました。   ところが、最近一人で亡くなっているところを発見されました。   お気の毒に死後1週間以上経っていました。   有名人でもそういう話が最近多いですね。   やはり一人だと寂しいことが起きてしまいます。  ◆………━◆【欧米信仰・ブランド信仰を早く止めましょう!】◆━………◆   当社のMIND−SAが売れ出した20年前のころのことです。   昔の会社で縁のあった方に、ある大規模なパーティで会いました。   「今何をやっているのですか」と聞かれましたので、   「MIND−SAというシステム分析の方法論を売っています」   と答えました。   「売れているのですか」と聞かれましたので、   状況を話しました。   そうしましたら「へー、それはアメリカのものですか」   と聞くのです。   「わが耳を疑う」というのはああいうときのことを言うのでしょう。   その方は業界ではかなりの実力者です。   ITコーディネータ協会のようなところが   お勧めのツールやモデルを選定するときも、   当社の製品は当時の欧米物よりかなり質的に上でしたが、   選定されませんでした。   この選定は二重に悔しいことです。   一つはなぜよいものを選択しないのか、というのと、   なぜ日本の物を選択しないのか、ということです。   このような欧米信仰・ブランド信仰となった原因は   私が見るところ二つあります。   一つは戦後の日本の自信喪失です。   なんでも欧米物が優れていると思わされたのです。   もう一つは日本人の思考法の保守性です。   みんなが使っているものを使えば安心だという   「前例・みんな主義」です。   この言葉は、私が著書「価値目標思考のすすめ」で作ったものです。   「前例・みんな主義」は、自分の思考停止状態なのです。   この業界で長く続いたIBM信仰も同じことです。   ところが、ようやく最近の若い人たちは、   この思考法から脱却しつつあります。   「ネットブック販売台数で台湾勢のシェアが約3割になったのは、   パソコン知識が豊富な若い世代が   ブランドの知名度よりもスペック(仕様)優先で選んだ結果」   (2009年12月3日、日経新聞)   この不況状況で、消費者が高い物を買っていられなくなったのも、   脱ブランドの追い風になっているようです。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   若干脱線ですが、まもなく桜の季節になります。   一部に八重桜(里桜)派もいらっしゃいますが。   多くの人にとっては桜と言えばソメイヨシノです。   我が家では、私の部屋のベランダの前に   河津桜があり、今満開です。   この桜は1月末から咲き出して1か月は頑張ってくれます。   道を通る人が、   見上げて「素晴らしいわね」と言ってくれます。   20年ほど前に河津に旅行に行ったときに苗木を買ってきたものです。   桜好きの私がソメイヨシノや八重桜と違う時期に楽しめるもの   という基準で選んだものです。   大成功でした。   これも脱「前例・みんな主義」の一例です。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   ユニクロも、はじめは脱ブラントの旗手でした。   消費者は、はじめは恐る恐る使ってみて   「あれ、これはいいじゃないか」となって脱ブランド派になったのです。   その人たちの多くは今やユニクロブランド派になってしまっています。   いずれにしても、ユニクロのファーストリテイリング社は、   日本の脱ブランド思考に大きく貢献した企業と言えましょう。   企業においても、このような若い思考の方々が、   前例・慣習にとらわれずに自らの判断で行動する、   意思決定するというようになると、   日本のビジネスはもっともっと強くなると思います。   日本人は評価する力がなくて評価しないのではなく、   「前例・みんな主義」という重石のためにそうなっているのですから、   その気になれば評価はできるのです。   多くの日本人が、   自分の考えを持ち、積極的に主張するようになっていただきたいですね。   その時に、「これは何のためなんだろう」と考える価値目標思考は   皆様の脱「前例・みんな主義」の助けになるはずです。   マスコミの報道にも振り回されないようにしないといけません。  ◆………━◆【BASP    (ビジネスアーキテクト・セルフトレーニング・プログラム)                  の第1回実施のご報告】◆━………◆   少しは、私たちの仕事に関連した話題も取り上げさせていただきます。   (注)このプログラムは2月3日に実施した時点では、   ビジネスアーキテクト・ステップアップコースと称していました。   コースと言うと、どうしても研修だと思う方がおられますので、   内容に合致した名称に変更したものです。   ご容赦ください。   私たちの会社では、ビジネスとシステムをつなぐ人材を   ビジネスアーキテクトと称しています。   私たちが今のビジネスを始めたときには、   このような人材をシステムアナリストと称していました。   当時は、システムの世界から   ビジネスを前提条件として分析把握すればよかったのです。   したがって、システムアナリストという名称が適合していました。   ところが、現在はビジネスとシステムが一体化してきましたから、   ビジネス自体を分析して   ビジネスとしての有効な方向性=システムとして有効な方向性   を見つけなければならなくなっています。   そこでビジネスを設計(アーキテクト)する   というように範囲拡大した名称となったのです。   システムアナリストの守備範囲よりも広くなっています。   ビジネスアーキテクトのような人材は   以下のようにさまざまな呼称があります。    ビジネスアーキテクト  富士通、日本ユニシス    ITコーディネータ   ITコーディネータ協会    コンサルタント     経済産業省管轄IPAのITスキルスタンダード    ISストラテジスト   経済産業省 UISS    ISアナリスト     同上    ITストラテジスト   情報処理技術者試験(IPA)    (旧システムアナリスト)     ビジネスアナリスト   BABOK(カナダ発)   ビジネスアーキテクトと称しているのは、   大手ITベンダです。   システムの企画や構想が、   きちんと実現性のあるシステムの基本構造(アーキテクチャ)の設計   に裏打ちされていなくてはならない、   という意思が入った名称なのです。   当社の思いも同じです。   「コンサルタントのシステム構想は   空理空論であり実現できない」   という状況は頻繁に発生しています。   これらのの職種名の中では、ビジネスアーキテクトに最も近く、   最も早い時期(2002年)からこの職種が存在してきている   ITコーディネータは   既に7000人以上が同協会から認定を受けています。   ビジネスアナリストも、ビジネスアーキテクトに近いのですが、   コンサルタントのような第三者の位置づけで   その仕事を実施しようとしていますので、   最上流の部分(事業戦略がどうあるべきか)が含まれていません。   いずれにしても、   このように職種名が乱立していることは、   これらの職種の社会認知の障害となっています。   ビジネスアーキテクトを除いては   それぞれ認定組織があって活動していますから、   統一は難しいでしょうね。   同じ経済産業省管轄のIPA(情報処理推進機構)の中でも   統一できていないのですから。   当社では、   ビジネスアーキテクトのような仕事をする人   (呼称はどうでもよいのです)の能力体系モデルを整理しました。   そしてその能力体系モデルに従った能力評価を行い、   弱い部分の能力強化策をガイドするプログラムを開発しました。   このプログラムによる第1回ガイドを、   2月3日、18名の方に参加いただいて実施しました。   この能力体系モデルの最大の特色は、   前掲のどの職種にも定義されていない   「資質・適性」「意識・思考法」「行動(特性)」について   規定したことです。   ビジネスアーキテクトに必要な「資質・適性」は、   強靭性、積極性、社交性、分析指向性、です。     「意識・思考法」では、   今回ご参加の17人の自己評価の平均では   「倫理観」「責任感」は高く   「リスク意識」「脱自己中心主義」「研究心・探究心」が相対的に低く、、   「行動(特性)」では   「人に愛される行動」は最も自己評価が高く、   「自分の欠点を克服する行動」「人脈を増やす行動」   が苦手となっています。      本当はこの部分が   人間性として信頼感を構成する重要な部分なのです。   誰しも   倫理観や責任感の希薄な方に相談しようとは思いませんからね。   多くの組織でこの規定がされていない理由は、   おそらく次のようなことでしょう。     これを複数人の協議で決定しようとすると   議論が紛糾してまとまりが付かない、   複数職種についてこれを設定するとなると   気が遠くなるような仕事となる。   ITコーディネータ協会は、   この領域の能力体系を現在整備中のようです。   1職種だけなのでやる気になれるのでしょう。     このプログラムを受けた方に対して   2月20日前後にアンケートを実施しましたら、   既に多くの方が、当社お勧めの方法で自己研さんを始めておられました。   「(行動では)まずは早起きをすることから始めています」   「自分の努力だけでは挫ける可能性があるので、   1週間くらいのサイクルでチェックが入るとよい」   (このプログラムでは   1か月サイクルで実施状況を報告いただくようにはなっています)   「アクションプランを作って取り組みだしました」   有効な能力向上方式の一つが   動き出したという感じがします。   今後、このプログラムをどう発展させていったらよいかを   検討中です。   ご期待ください。  ◆…………………………━◆【蛇足3題】◆━…………………………◆   その1:オリンピックはいつも期待はずれになるのは何故?  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   この時期に、オリンピックの話題がないのはまずいかなと思い、   作成しました。   なぜか、オリンピックの成績はいつも期待はずれです。   その責任の一端はマスコミ、特にテレビです。   テレビは視聴率が命ですから、   どうやって視聴者を増やそうかと必死です。      したがって、有望情報を流して煽るのです。   選手が調子が良くてやる気満々、ということは事実ですから   ウソではなく「客観的」な報道です。   しかし、これはより広い視野・全体感からは   客観的であるとは言えません。   世界にどのようなライバルがいるか、もっと有望な選手がいるぞ   という情報が本当の意味の客観です。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   真央さんの完調でない原因も事後報道されていました。   そう言えば、女子のフィギュアスケートでは、   男性のほとんどは、   選手の滑りを見ていないで   体を見ているのではないでしょうか。   その点でも真央さんはキムヨナさんに負けですね。   女性の場合は、男子選手をどう見ているのでしょうか。  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     報道管制が行われている国で、   為政者が自分たちに都合の良い情報だけを流すのと大した違いはありません。     画像だからといって単純に信じてはいけないのです。   「全体のストーリの中で話したのであって、   その部分だけを取り出されるのは心外である」   と失言の大臣が釈明するのも一理あります。   ですが、本当の意味の客観的な情報は   普通の視聴者は知りたくないかも知れませんから、   マスコミのせいだけにしてもいけませんかね。      我が家では「煽りからの防衛上」   オリンピックの報道は結果が出た後にしか見ません。   その2:民主党系地方選で2連敗  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−      ご承知のように、民主党系の候補者が、長崎県知事選、町田市長選   で連敗しました。   地元の事情や民主党幹部の「金」問題等も影響したでしょうが、   これは大きな流れで見ると日本人のバランス感覚の結果です。   自民党はダメだという裁定が8月の衆院選でした。   でも、その結果は多くの国民が想定したバランスポイントを   はるかに超えてしまいました。   その状況ではバランスの極致2大政党制は実現しそうもありません。   民主党の弱さもかなり露呈しました。   そこで、「これはいかん」というバランス感覚による補正が入ったと   見るべきでしょう。   おそらく、今度の参議院選挙もその「補正」の続きでしょう。   その3:公共工事  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−      またまた腹が立つことです。   土曜日のジョギングコースを走っていましたら   通行止めがありました。      踏切りの工事のようでした。   案内の作業員がいましたので   「何の工事ですか」と聞きますと   「踏み切りです」と答えるのです。      そこでイラッとして    「踏み切りは見て分かります。   何の工事かと聞いているのです」と聞くと   なんと答えようかとまごまごしています。   そうしたら、たまたま通りかかった近所の方らしい人が   「踏み切りの幅が広くなるのです」   と教えてくれました。      そこで次の質問をしました。   「迂回しろということですが、次の踏切までどのくらいあるのですか」   と聞くと   「あちらです」と、迂回路を示すのです。   「それは見れば分かる。どのくらい距離があるかと聞いているのです」   と言うと、少し先にいた同じ仲間の作業員がやってきて   私たちのやり取りを聞いていなかったのでしょう、   同じように「あちらです」と迂回路を指差すのです。   完全に頭にきて   「次の踏切までの距離を聞いているんです!」と叫ぶと   「10メートルくらいです」という答えです。   場合によっては引き返そうと思っていた私は   だったら行こうと思って   指差される方向に入りました。   ところが、その距離は50メートルはありましたね。   10でも50でもこの際はあまり問題ではないのですが   対応のまずさにあきれました。   次の踏切まで着くと   そこにも作業員がいて、踏み切りの方を指すのです。   そんなこと見れば分かる、とその踏み切りを渡りました。      その先にも、十字路の至る所に案内の作業員がいるのです。   適当に進んだところで方角が分からなくなったので   そこにいた作業員に聞きました。   「工事をしていた先の道はどちらでしょうか」   すると   「エーッ。私も今日初めてなものですから(分からない)」   と言うのです。   「何ですって!(初めてだなんて何の理由にもならない)」   という顔で迫ると、   「地図はあります」と言って   しわくちゃのA4の紙を出しました。   それを見せてもらうと、   何とか行く先が分かりました。   でもそう簡単ではありませんでした。   至る所に作業員がいましたが、   もう聞く気になりませんでした。   しばらく迷って、何とか目的地の戸越公園に着くことができました。   そこで考えました。   たかが1箇所の工事のために、全部で20人もの案内人がいる、   万全を期すのは良いことだが、   その人たちは「何のために」いるのだろう?と。   彼らは「そこに立っていろ。行き先はこちらだ、と示せ」   としか言われていないのでしょう。   だから、何の工事かも答えられないのです。   それだったら、よく道路工事の現場に立っている   手を上下させる人形にだってできることです。   「あちらだと言う」ことではなく   「通行人・車が円滑に本来の目的地に到達できるようにする」ことが   彼らの本当の目的でなければならないはずです。   この本当の目的のことを、   価値目標思考では「ねらい」と言います。   「ねらい」を達成するために   「どちらに進んだらよいかを示す」は目的です。   行き先は相手によって違うはずですから、   単純動作ではすまないのです。     その「目的」を達成するためには、   そのあたりの道路だって勉強してなければいけないでしょう。   狭い範囲の目的しか与えないと、人は育ちません。   しばらくすると、   新しい大きな道路を10年がかりで作っているところを通りました。   以前あった公園を移設して   新しい公園を準備中のところです。   そこには以前「ご近所のお子様たちへ」とかの可愛い案内板で   「2月中旬にオープンです。そうしたら遊びに来てください」   とか書いてありました。     先日から、その案内板がないな、と思っていました。   この日は2月27日です。   中旬はとっくに過ぎています。   それなのにオープンしていないのです。   なるほど、工事が遅れているから責任逃れで   あの案内板を外したのか、と分かりました。   しかし、その代わりにいつオープンするという案内はないのです。   見るところ大した工事ではなさそうです。   なぜ、予定が狂うのだろう、いい加減な工事管理だ、   と憤慨しました。      こんないい加減な仕事の進め方をしているのだったら、   「仕分け人」に手を入れられても仕方ないことだと思います。   憤慨と言えば、   その少し前に、話題の戸越公園で   「新鮮な」犬のフンが3個、散歩道に堂々と残してありました。   なぜ人が見ていないとこういうことをするのだろう、   こういうことがあるから、全面入園禁止になるのだ、   とフンガイしたところでした。   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   ジョギングのお勧め  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   お断りしておきますが、   私はフンガイだけしながら   ジョギングをしているわけではありません。   (ちなみに、東京マラソンは3年連続抽選漏れです。   3年連続受かっている人もいるというのに!!)   ジョギングでの楽しみは「それなりの」女性に出会うことです。   ドキッとしたりワクワクしたりして   「この人はどこが良いのだろう?」、   「この人はどういう性格だろうか?」   「どういう生活をしているのだろうか?」   などと想像するのは大変楽しいことです。   不思議なことに、   いつもより長い距離を走る土日の場合、   そういう人と「再会」することは滅多にないのです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 【弊社からのお知らせ 目次および開催日程】 http://www.newspt.co.jp/data/schedule.html ▼ 要件定義手法研究コース ・・・・ ・・・3/2〜3、3/10 ▼ 第6回 ISトップ・フォーラム・・・・・・・・3/4 ▼ 開発成功の秘策研究トップセミナ ・・・・・・・3/15 ――――――――――――――――――――――――――――――――  ◆2010年3月 2日(火)-3日(水)9:30〜18:00 A.業務プロセス設計編    2010年3月10日(水)     9:30〜18:00 B.データ分析基本編    要件定義手法研究コース     http://www.newspt.co.jp/data/kensyu/yoken/ysemi.html   参加費:A+B \126,000/1名(テキスト・税込)        Aのみ \89,250/1名(テキスト・税込) ――――――――――――――――――――――――――――――――  ◆2010年3月4日(木) 14:00〜18:00、その後情報交換会     「第6回 ISトップ・フォーラム」   http://www.newspt.co.jp/data/is/is2r1_06.html       <第1部> 講 師:(株)アネゴ企画 代表取締役 上田雅美 様   テーマ:「社員を活性化する!その秘策の探求」   <第2部> 講 師:大阪芸術大学建築・居住意匠学修士 青野聖子 様   テーマ:「ご参加者を元気にする!現代社会の悩み解消法」    対象者:情報サービス業の会長・社長様   参加費:会長・社長様お1人参加:65,000円(税別) ご同伴者1名付き:75,000円(税別) ――――――――――――――――――――――――――――――――  ◆2010年3月15日(月) 14:00〜19:00     「開発成功の秘策研究トップセミナ」〜保守業務の革新を目指して〜   http://www.newspt.co.jp/data/semina/tops.html       参加費:無料 ―――――――――――――――――――――――――――――――― お申し込み・お問い合わせにつきましては本メールへの返信あるいは 弊社HPよりお願いいたします。 ↓ http://www.newspt.co.jp/data/schedule.html ☆★アドレス変更・送信停止等は本メールへの返信にてお願いします★☆ ========================================== システム企画研修株式会社 Tel:03-5695-3130、Fax:03-5695-3131 〒103-0001 中央区日本橋小伝馬町16-2 東事協ビル2F mind-pc@newspt.co.jp 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