★━━━━━━━━━━━ 上野則男のメルマガ ━━━━━━━━━━━★  ≪今号の内容≫  ■「早い、うまい、安い」の医療版  ■日本はサービス業の生産性の伸びが低い  ■研修(オープン・コース)、セミナのご案内 ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━No.2━━★   小論、それに対するご意見・反論(掲載の可否は弊社で判断させていただきます)  ご寄稿等は随時、弊社のホームページにバックナンバを含め掲載いたします。  ご利用ください。          http://www.newspt.co.jp/data/mailmaga/mgbk.html ◆・◆・…………━◆【「早い、うまい、安い」の医療版】◆━…………・◆・・◆               米国オレゴン州では、医療法則として次のようなことが言われているのだ そうです(日経新聞日曜版コラム「医師の目」東京臨海病院山本保博院長)。  患者は以下の3条件のうち二つまでしか手に入れることができない。    1.どの医療機関でも受診できる「アクセス」    2.誰でも質の高い医療を受けられる「クオリティ」    3.費用負担が小さい「コスト」  これを、当社で推進している価値目標思考の「早い、うまい、安い」に当て はめて考えてみるとこうなります。人が望むのは「早い、うまい、安い」ことだ、 という意味です。 1.は近場の医療機関を選択できることであると考えれば、「早い」に相当します。 2.は「うまい」、3.は「安い」です。  近くのお医者さんが高い技術を持っていて安く受診できることは、偶然以外 にはないでしょう。いずれかを犠牲にするしかないのです。 したがって、何を優先させるかということになります。 このような考え方は、この医療法則に限った話ではありません。  求める条件を欲張って広げすぎると、結局すべて中途半端に終わる危険性 があります。よく検討して、重要な点に絞り込むべきなのです。 山本院長も前掲記事の結びでこう述べています。  「三つとも手に入ると思い込んでいる日本国民は、      すべてを失う危機に瀕していると気づくべきである」 ━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥…━━…━◆━…・◆・・◆   ◆・◆・……━◆【日本はサービス業の生産性の伸びが低い】◆━……・◆・・◆  以下の例のように、日本のサービス業のサービスは質が高いと定評がある ようです。日経新聞2008年9月16日夕刊「Nipponビジネス戦記」 (住友スリーエム社長ジェシー・シン氏) 「日本で店に行くと、いつもほほ笑みを浮かべたあいさつと親切な応対を受ける。  買物が決まると丁寧に商品を包装して手渡してくれる。  (中略)  高いサービスを経営理念に掲げる世界的なホテルチェーンがあるが、日本は  国全体が高いサービスを掲げていると言える。世界のどんな場所でもこんな  質の高い一貫した応対を受けた経験はない。日本は卓越した技術と勤労意欲  で知られた国だが、住んでみるとサービスの国であることに改めて気づくのである」  私も居酒屋チェーン「和民」の店員のサービスには感心します。ですが、多くの店 は自慢できるレベルのサービスとは思えません。外国人の方の評価が高いのは、 レベルの高い店に行くからであるのと、日本人は外国人に弱いので、日本人に 対するよりもサービスが良くなるせいではないかと思われます。  気になるサービスの悪さに遭遇すると、お節介か、コンサルタント根性の私は (日本のために?)つい注意をしてしまいます。 特にお客様のほうを見ていない従業員には小言を言います。  しかしOECDの調査では(※)、日本の製造業の労働生産性の伸びは最高なのに、 サービス業の伸びは最低なのです。  ※図はこちらから参照 → http://www.newspt.co.jp/data/mailmaga/002_1.gif このデータを紹介した日経新聞(2008年2月23日)の解説では以下のように 述べています。 「「お客様は神様」と言われる日本人の間で「おもてなし」はタダという意識は強い。  感情労働への対価が支払われないことが生産性の伸びなやみを招いた可能性  もある。  サービス業の生産性向上は日本経済の成長力を左右する。サービスの品質を  客観評価するモノサシがあれば、タダだったサービスにも対価が付きやすいかも  知れない。  日本の産学官によるサービス業生産性協議会は、米ミシガン大が開発した顧客  満足度指数(CSI)を手本に「日本版CSI」を08年度末までに開発する考えだ。  百貨店、スーパー、フィットネスクラブの3業種で、消費者の期待値と納得度を  調べ、企業のサービスに「点数」を付ける新しい試みとなる」  この試みは以下の点で評価されます。    1.初心者等自分でサービスのレベルを評価できない人に目安を与える。    2.サービス提供者が「点数」を上げようと改善努力を行う。  情報サービス業界でも、サービス提供者の格付けをしようという動きがあるようです。 この場合は、一般消費者相手の場合と少し状況が違います。もともと、お客様が サービスの高さにお金を払うのは、次のような思考プロセスを経て実現しています。       1.お客様がサービスの質を評価できる。              ↓       2.そのサービスの価値を認める。              ↓       3.サービスに対価を支払う気になる。              ↓       4.サービスに対価を支払う。  飲食業や小売業では、経験豊富なお客様は1.と2.はOKですが、チップという習慣 もないので、3.のところでタダということになっているのです。ただし、そのサービスは お客様に評価されていますから、リピートという形で返ってきます。  情報サービス業は、多くの場合1.がしにくい面がありますので、単に価格で比較 されるという好ましくない状況が起きやすくなっています。特に最近は、取引の透明性 と称して、入札制をとる法人が増えてきましたので、どうしても目に見えにくい質の 評価はなおざりにされがちです。その結果価格競争になっているという反省から、 この「格付け」論が出てきたようです。  入札制は、従来からの取引先に対して2.を認めていても、1.のところの客観性 という面で通りにくいのです。しかし、企業の格付けで問題は解決するのでしょうか。 「ミシェランの五つ星なら安心」のように考えるのは、自らの評価力の放棄につながる ような気がします。    ではどうしたらよいのでしょうか。サービスを受ける側がサービスの評価基準を作って 入札者に提示し、その基準で提案を評価すればよいのです。  この基準は「早い、うまい、安い」(一般にはQCD)そのものです。   早 い------ どうやって短納期を実現できるのか。   うまい------ どういう技術・手法・経験によって発注者の要求を満足させるのか。   安 い------ なぜそれだけの料金で要求を満足させられるのか。  この内訳レベルで加重するウエートを示します。    単に結論としての「早い、品質が良い、安い」を提示させるのではなく、なぜそれが 可能なのかを説明させるのです。その説明を吟味し納得のいかない点についての 説明を求めます。こうすれば、単に価格の安いところが落札するということを減らせる のではないでしょうか。  その際、発注者が入札者の技術力・経験等の能力(上記「早い、うまい、安い」の根拠) を評価する力がなければダメです。これは、消費者の場合と同じです。  サービス業の生産性向上(=サービスの価格向上)という本題に戻ると、サービス 提供者が品質や価格だけを売り物にするのではなく、従業員のサービスをも積極的 に「売り物」にすればよいのです。社内では、サービスレベルの高い従業員を表彰 する等を行えば、従業員のモチベーションも上がるでしょう。好循環が働きます。 ━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥…━━…━◆━…・◆・・◆ ◆・◆・…━◆【研修(オープン・コース)、セミナのご案内】◆━…・◆・・◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【目次および開催日程】 http://www.newspt.co.jp/data/info/schedule.html  ▼ 夢創出プログラム研究会2次会員募集のご案内 ▼ システム分析・企画コース・・・・・・・・11/20〜21  ▼ ISトップ・フォーラム・・・・・・・・・・・・・・11/20  ▼ 要件定義手法研究コース・・・・・・・・・12/2〜3、12/10  ▼ 新リスクマネジメント研究セミナ・・・・・12/9 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※すでにお申込みの方には、度重なるご案内をお詫び申しあげます。 ※会場の記載の無いものはすべて弊社(システム企画研修)にて開催いたします。  http://www.newspt.co.jp/data/copr/map1.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研究会名】夢創出プログラム研究会   10月28日に9社でスタートいたしました。2次会員を募集いたします。  【日時】第2回 11月26日(水) 13時30分〜18時30分       (第3回以降は下記URLよりご参照ください)  【費用420,000円/1社(税込)  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/dlm/dlms.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研修名】第7回 システム分析・企画コース  【日時】11月20日(木)〜11月21日(金) 各9時30分〜18時  【費用】84,000円/1名(テキスト・e-learning・昼食代・税込)  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/kensyu/open/f11.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研修名】第4回 ISトップ・フォーラム   情報サービス業のトップの皆様を対象に経営改善に繋がるテーマを   ご研究いただく研究会です。つど参加も可能です。  【日時】11月20日(木)14時〜18時、その後情報交換会  【費用】会長・社長様お1人参加 :52,500円/1回、ペアご参加 :63,000円/1回  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/info/is/is12_04.html  【対象者】情報サービス業の会長・社長様  【会場】(株)ソピア様(神田) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【研修名】第6回 要件定義手法研究コース  【日時】A.業務プロセス設計編         2008年12月2日(火)〜3日(水)9:30〜18:30(会場:弊社)       B.データ分析基本編(会場:データ総研)         2008年12月10日(水)9:30〜18:00  【費用】A.業務プロセス設計編+B.データ分析基本編        (3日間)\126,000/1名(テキスト・昼食代・税込)       A.業務プロセス設計編のみ        (2日間)\89,250/1名(テキスト・昼食代・税込)      ※データ分析基本編のみの受講はお受けしておりません。  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/kensyu/yoken/ysemi.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【セミナ名】新リスクマネジメント研究セミナ  【日時】12月9日(火)14時〜18時30分   【内容】 1.契約リスクマネジメント 2.当業界リスクマネジメントの課題 3.新リスクマネジメントシステムのご紹介 4.全体意見交換 【費用】10,000円/1名(消費税込み)  【詳細】http://www.newspt.co.jp/data/info/semina/risks.html ━…‥‥…━…‥‥…━…‥‥…━…‥…━…‥…━…‥…━━…━◆━…・◆・・◆ ---------------------------------------------------------------- お申し込み・お問い合わせにつきましては本メールへの返信あるいは 弊社HPよりお願いいたします。 ↓ http://www.newspt.co.jp/data/info/schedule.html ☆★アドレス変更・送信停止等は本メールへの返信にてお願いします★☆ ========================================== システム企画研修株式会社 電話:03-3440-1800、Fax:03-3440-1799 〒108-0074 港区高輪3-11-3 東信高輪ビル4F mind-pc@newspt.co.jp http://www.newspt.co.jp ==========================================