(3.2)工程別基準工数比率

1)工程別基準工数比率

前項の作業内容を前提とした工程別基準工数比率の一般平均は、図MI−4のとおりである。


2)工程別基準工数比率の変化(91.12改訂)

工程別基準工数比率は、システム別特性(システム設計難易度)によって、概ね以下のように変化する。
  1. システム設計難易度別比率

    図MI−5 システム設計難易度別比率

    難易度

    工程

    A(易)
    C(難)
    設計
    段階
    基本設計
    0.75
    30%
    1.5
    35%
    3.0
    40%
    詳細設計
    45%
    45%
    40%
    プログラム設計
    25%
    20%
    20%
    プログラミング工程
    1.0
    テスト・移行工程
    0.25
    0.5
    1.0


  2. システム設計難易度の評価

    図MI−6 システム設計難易度の評価の例

    難易度

    評価項目

    A(易)
    C(難)
    設計メンバ総体の
    ・類似システム経験
    ・業務知識

    あり
    あり

    多少あり
    多少あり

    ほとんどなし
    ほとんどなし
    ペンディング事例 ほとんどなし 大きなものなし システムの方向
    づけが左右される
    大きなものあり
    プログラム規模

    (ステップ数)

    __ステップ以下

     

    __ステップ以上
    データベース構築 新規データベースなし 簡単なものあり 複雑なものあり
    システム対象業務 既存システムの
    置き換え中心
    新規システムで
    実体あり
    実体システムの
    ない新規システム


  3. 難易度評価の結果、システム別工程別基準工数比率は以下のとおりとなる。


    以上を参考に見積り、対象システム別の工程別基準工数比率を設定する。

3)プログラム規模(ステップ数)換算の生産性への置き換え(91.12改訂)

工程別基準工数比率をプログラム規模(ステップ数)換算の生産性(および原単位)に置き換えると、以下のとおりとなっている。設定した工程別基準工数比率は、生産性(または原単位)に換算して、全体バランスを評価してみることも必要である。
  1. プログラミング工程の基準生産性 = 2,000ステップ/人月の場合

    図MI−7 設計、テスト・移行工程の基準工数比率
    難易度

    工程

    A(易)
    C(難)



    基本設計
    2,667
    (0.375)
    8,850
    (0.113)
    1,333
    (0.75)
    3,802
    (0.263)
    667
    (1.5)
    1,667
    (0.60)
    詳細設計
    5,917
    (0.169)
    2,959
    (0.338)
    1,667
    (0.60)
    プログラム設計
    10,638
    (0.094)
    6,667
    (0.15)
    3,333
    (0.30)
    プログラミング工程
    2,000ステップ/人月(0.5人月/キロステップ)
    テスト・移行工程
    8,000
    (0.125)
    4,000
    (0.25)
    2,000
    (0.5)
    全工程総合
    1,000
    (1.0)
    667
    (1.5)
    400
    (2.5)


  2. プログラミング工程の生産性を補正した場合

    プログラミング工程の生産性(基準生産性=2,000ステップ/人月)を難易度評価や開発方式の相違により補正した場合でも、設計やテスト・移行工程の難易度や必要工数は、プログラム工程のそれとは基本的に独立と考えられる。そのため、設計やテスト・移行工程の生産性の比例的補正は行わない。

4.システム開発工数の概要見積りの実施方法(How)
(4)工程別工数の算出と補正
(4.1)工程別工数の算出